海部郡甚目寺町

はせがわ歯科医院

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親知らずQ&A3

21,抜けなくて途中で抜歯を中止されてしまいました・・・

ある意味でその歯科医の懸命な判断とも言えます。開業医での抜歯や、病院の歯科口腔外科での外来での抜歯で、あまりに長くなりそうな時は中止した方が無難なこともあります。日を改めて抜くとすぐ抜けてくることもあります。歯冠だけでも取ってあると炎症で根がだんだん表近くに出てくることもあります。

22,抜いた後痛い理由は?

埋まっていると通常の抜歯より傷が大きく深くなりやすい歯茎の切開・剥離、骨の開削を伴うことがある歯を切断する歳に骨に多くの水があたってしまうと骨細胞が壊死しやすい時間がかかるほど細菌感染が多くなる ・・・などの理由が挙げられます。

23,抜歯後出血について

まる1日くらいは多少にじむ程度のことはあります。問題は傷口を圧迫していても半固まりの状態で止まらずどんどん出てくる場合です。歯科医院で止血処置をしてもらう必要があります。しっかりと縫合するか、止血効果 のある薬剤等を用いるか、シーネを作って蓋をすることもあります。
ガーゼなどぎゅっと噛んでいるとだいたいは止まるはずですが、緑茶のティーバッグを噛んでいるとタンニンの作用で止まりやすい場合もあります。


24,歯窩治癒不全症について

術後うがいのし過ぎや、術中水のかかりすぎ、体調不良、抜歯に時間がかかった…等で傷の治りが悪い状態です。血の塊に傷口が覆われず、一部の骨が露出したままになっています。痛みも続きます。そのままでは治りにくいので、傷口に薬剤を詰めたり、掻爬したりなど治癒を促す処置が要ります。最初は問題ないように思えても、なかなか痛みがとれず後で治癒不全と分かることも少なくありません。

25,抜歯後どのくらいで治るの?

傷の深さにも因りますが、親知らずですと、3〜4ヶ月はかかると思います。歯茎は2週間もするとかなり盛り上がってきますが、穴に骨が出来てくるのに時間が掛かります。抜歯後1ヶ月くらいは時無しに軽度の痛みや違和感を感じることもありますが、最初の痛みや治癒不全が無くなってからは、心配は要りません。食べ物が穴に挟まって気になることもありますが、必ず取れていきます。

26,親知らずは、抜いたままでいいのですか?

親知らずを抜歯した後は入歯やブリッジは入れません。相対する顎に親知らずが残っている場合は、それがすぐ前の歯と噛んでいないような場合等、役に立っていないのであれば、それも抜歯したほうがよいです。

27,抜歯して治って来てから尖ったものが出て来ました…

親知らずに限りませんが、奥の方で見にくい場合、また、虫歯でぼろぼろだった場合等に、かけらが残ってしまうことがあります。多くは自然とでてきますから大丈夫です。出て来たら抓んで除去します。
 また、抜歯窩の上方の歯茎や骨は少し吸収されますが、歯茎の吸収速度と骨のそれとは違い、歯茎の速度に間に合わず骨のとがったところが飛び出してしまうこともあります。この場合も飛び出した部分を除去してやれば大丈夫です。

28,薬はいつまでのむの?

一概に言えませんが、簡単に抜けたような場合は3日ほど服用すれば済むことが多いように思われます。痛みが続けば5日とか一週間とか続ける場合もあります。最初の薬が効きにくい場合は、変更して飲み続けます。必ずしも次の予約の日と出された薬の量 が合うとは限りません。予約がまだ先で、しかし痛みや腫れが気になる場合は薬だけでももらいに行った方がよいです。切れてからまた飲むより続けて飲んだほうが早く治るし合理的です。また、明らかに快復して来るまで続けてこそ、耐性菌を作らずに済むのです。
 出された分は勝手に止めたりしないでください。少し飲んだだけでも治っていくことももちろんあるでしょう。自身の免疫により自然治癒能力があるのですから。しかし、万が一急に止めたことにより悪化しては困ります。

29,親知らずは麻酔が効きにくい?
上の親知らずはそうでもありません。下顎は親知らずに限らず大臼歯あたりは骨が厚いので、麻酔薬が浸透しにくい特徴があります。よってやや効きにくい傾向はあります。対応としては、当然多めに注射したり、歯根膜(歯と骨の間)に細い針で注射したり、骨の中の大元の神経付近を麻酔したりします。抜歯の時のほうがむしろ麻酔は効きます。なぜなら歯の周囲が効けばよいからです。
歯の周囲が効いていても、歯の中の神経が効いていないこともあります。削って詰めるとか神経を取るとかの方が麻酔が効かず手間取ることがあります。

30,おまけ,親知らずが解いた殺人事件

以前、地元警察署と地区歯科医師会の連絡協議会で、署長が紹介された話です。
以前の赴任先でのことだそうです。公園に布団にくるまれた半分白骨化した死体が発見され胸に刺し傷があり殺人事件で捜査が開始されたのは良いが、身元がさっぱり分からない…。
医学部法医学教室の鑑定では、15,6歳から40歳くらいの幅の広い年齢しか分からなかったそうです。愛知県歯科医師会には警察協力医会があり、その会合で理事の先生に少し話したと 「おれの診療所に遺体を持ってこい、見てみるから…」といわれ、そうは言われても…と思いつつ持っていくと、「20〜23歳くらいだろう…」「きちんとした暮らしをしていたが、ある時環境ががらりと変わった可能性がある…」と、検屍の結果 をコメントされたそうです。
 年齢が絞られたことで、捜査線上にガイシャが浮かび、結局OLを辞めてソープ嬢として働くようになった女性と分かり、犯人も程なく見つかったとのことです。推理小説等とは違い、被害者の身元が分かれば多くは加害者を特定するのは困難ではないそうです。
 なぜ、20〜23歳と分かったか…親知らずなのです。親知らずは根の先まで完成するのは23〜25歳。骨のレントゲンを撮り、根の先がまだ出来ていなかったので、そのくらいの年齢と判断できたのでしょう。法医学教室では、多分もっと複雑な検査で骨を分析したりしていたのでしょうが、歯は軽視していたようです。
生活環境が変わった…と推理した理由は、きちんと治療してある歯とそうでない歯との差が激しく、きっと規則的な生活から不規則なそれに変わったと考えたのだそうです。
 それにしても、その先生、自分の診療所に殺された遺体持ってこさせ、そこまで推定したのは大したものだと署長(当時は署長でない)は大変感心されたとのことでした。ついでに、たまたまキャリアの若い署長が赴任して最初の事件で、それが見事解決したと言うことでキャリア署長は大変喜び、スライドにして今も持っている…ということです。
 しかし、その先生のスタッフからは、遺体の運ばれてきたときは非難ごうごうだったとのこと…
でも無事解決されそのあと尊敬されたことでしょう。


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