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親知らず

Q.親知らずってどの歯?

A.中央の歯から数えて8番目の歯です。ただし、全部の歯が揃っている場合です。一番奥の歯ということではありません。


Q.親知らずってどうして親知らずと言うの?

A.生えてくる時期が遅いのでもう、親も歯の生えることに全然関心が無く知らないうちに生えてくるから...と言うのではなく、昔は寿命が短かったので生えてくる頃にはもう親は亡くなっている事が多く、親を知らずに生えてくるから、という説が有力だそうです。


Q.親知らずはいつ生える?

A.きちんと生えてくる場合は、17~22歳くらいで萌出してきます。不完全な生え方の場合は、この時期の時もあれば、もっと後で僅かに顔を出し、生えてきた...と感じることがあります。


Q.親知らずはいつ頃からできる?

A.何と、もう3~4歳で顎の骨の中で形成が始まります。8~10歳でレントゲンで写るようになります。


Q.親知らずの無い人はいるの?

A.もともと無い人はいます。しかし、無いと思っていても結構埋まっている人は多くあります。歯科医院でレントゲンを撮って初めてある事を知ることも少なくありません。不完全な生え方の人が最も多いです。


Q.親知らずが痛くなるときは?

A.1つには虫歯です。多いのは生えてくる時や、不完全な生え方で止まってしまった場合に歯茎にばい菌が入り膿んで腫れることによる痛みです。


Q.親知らずはなぜ良く腫れる?

A.きちんと生えていないことが最大の原因です。少しか顔を出していないとか、生えているように見えてもまだ少し埋まったまま...であるような場合、特に斜めになっていたり横向きになっていると問題です。

埋まっていても、本来外にでてくる歯の頭の部分は周りの骨や歯茎とくっ付いておらず、ポケット状に深い隙間があるのです。菌が入っていきやすいような形になってしまっているのです。

普段は自身の抵抗力で防いでいて何とも無くても、疲れがたまったりして体力が落ちると腫れてきます。


Q.親知らずから頬やのどの方まで腫れてくるのは?

A.解剖学的に、顎のあたりは筋肉がいろいろ複雑にあり、筋肉と筋肉の間の疎な部分である結合組織が多く周囲に波及しやすい構造になっているからです。口を開けにくくなるのは、口を開ける筋肉まで波及して筋肉がこわばり動かせなくなるからです。


Q.親知らずはなぜきちんと生えないの?

A.系統発生学的に退化傾向にある歯だからです。生物の進化の過程で使われなくなりつつあって失う傾向にあるからです。人では他に、尾てい骨や耳を動かす筋肉、虫垂(盲腸)などあります。


Q.親知らずの害は?

A.よく腫れることが最大の害ですが、他には歯並びを悪くする、かみ合わせを悪くする、肩こりの原因になる、埋まっているうちに嚢胞(のうほう)になる、前の歯の後ろに虫歯を作る...など挙げられます。


Q.親知らずは抜かないといけないの?

A.不完全な生え方では噛むという歯の機能を発揮せず、かつ腫れやすいのでは何も用をなしていないということですから抜歯したほうが良いと言えます。腫れなくても、前段のようにいろいろ弊害がありますし、少々の虫歯でも奥過ぎて器具が届かず削ったり被せたり出来ないこともあります。

器具が届いても、退化傾向である親知らずは生え方ばかりでなく、形や大きさも異常がある場合があり抜歯することがあります。

歯列矯正した場合には生える前に抜歯することもあります。生えてくる時に前の歯を押して再び歯並びを悪くする可能性があるからです。

きちんと生えていても、相対する歯が無いとかきちんと生えていないとかであると、出っぱって来て邪魔になったり相対する歯茎に食い込んだりすることもあり、そのような場合も抜歯します。


Q.親知らずの利用価値は?

A.きちんと生えていれば、噛むという本来の機能を果たします。他の歯も全てきちんと生えていれば噛む力だけでなく噛み合せから来る良い作用を十二分に発揮する可能性もあります。イチロー選手は親知らずまでしっかり生えていると聞いています。

特別な場合として、他に抜歯した部位に移植するとか(条件が合った場合)、矯正や虫歯ですぐ前の歯を早期に失った場合にその歯の代わりになることもあります。


Q.親知らずを抜いたのにまた生えてきた人があるって聞いたのですが?

A.まれですが、一箇所に2本の親知らずがある方があります。親知らず以外でも過剰な歯がある場合があります。それが親知らずの場所に出来たと思われます。先祖返り現象だと言う説もあります。


Q.70歳で親知らずが生えてきた!?

A.これもまれですが、入歯が合わなくなったと思って痛いのかなと思ったら歯が生えて来て驚いた...というお年寄りがありました。

見かけ上は生えてきたように思えても、実際にはだんだん顎の骨が痩せてきて、以前は完全に骨に埋まっていた親知らずが相対的に表面に現れてきた状態です。親知らずの位置は変わっておらず成長期のように生えてきたのとは異なります。

しかし、同じようにばい菌が入ることはあり、50年ぶりに親知らずの痛みを体験した...などと感想を言われました。


Q.親知らずは抜くとすごく痛いと聞いていますが?

A.体調を整えて抜歯に臨み、薬もよく効けば、強い痛みもなく済む場合も多いはずです。抜歯後に非常にいたい思いをする方はむしろ少数派だと思います。意外に痛くないのですね...と言われる方は多いです。

それでも凄く痛いというイメージがあるのは、そのような体験をする方も確かにありますし、大変な経験をした場合はそういう方は同情もしてもらいたいし、話も聞いてもらいたいし、大勢の人に吹聴して回りますから、そういう情報が広がってしまうのです。


Q.親知らずはどこで抜くと良いか?

A.ある程度までは、不完全な生え方でも開業医で抜歯出来ます。斜めでも横向きでも状況により、またその先生の技術により抜歯は可能です。かなり深く埋まっていて困難な場合や、顎の中の太い血管・神経に接している場合などで、病院の歯科口腔外科を紹介されます。


Q.歯科口腔外科で入院して抜歯しなさいと言われましたが...?

A.親知らずは1本でも抜歯に長時間かかる場合も多く、あまり長くかかると患者さんの体力的・精神的負担も多くなりますから、静脈内沈静法や全身麻酔を用いる場合もありその時は入院が適しています。その場合は一度に複数の歯を抜歯します。通院で1本ずつ抜歯することも出来ます。


Q.一度に4本も抜いて大丈夫ですか?

A.歯科口腔外科で入院して全身麻酔下で一度に4本抜歯することは、最近良く行われています。

利点としては、一度に済むということ、全身麻酔なので術中の苦痛が無いこと、抜歯後に何か不調があっても24時間管理下なので安心ということ、術後十分身体を休めることが出来ること...などです。

欠点は入院するために学校や仕事を休まなくてはならないこと、入院や全身麻酔の分だけ費用がかかること、自宅から遠い場合もあることなどです。


Q.親知らずを抜く前の注意事項は?

A.痛みや腫れがある場合は、まずそれが引くまで待ちます。

寝不足、疲れ気味、風邪を引いているような時期は避けます。予約のときにそうなってしまった場合は延期した方が無難です。女性の場合は生理中も避けましょう。とにかく体調がいい時に抜歯します。これは他の歯の抜歯もほぼ同じです。

抜歯により膿を多く出して早く楽になると思われるような場合は、まだ腫れていても抜歯することはあります。

体調が良くても、その後で旅行、スポーツ、多忙などで疲れる可能性のある予定がないようにします。疲れることが無さそうでも、万が一腫れて休むと非常にまずいような重要な予定があるときも避けた方が良いでしょう。

あらかじめ薬をもらっておき、抜歯の前の食後に飲んでおくと、抜歯時十分な薬の成分があることになり腫れる確率を下げることが出来ます。


Q.親知らず抜歯後の注意事項は?(長文)

A.抜歯後は、運動など、普段より余計に疲れることは控えましょう。飲酒も控え、入浴は軽くにし(ないし控える)、食事は刺激の強いものは避けます。

薬はきちんと服用してください。出血が少々あってもうがいをし過ぎないこと(固まりかけた血が取れて余計に出てきてしまうので)、もし出血が気になる状態ならガーゼかなければティッシュでもよいのでぎゅっと噛んでいれば大丈夫でしょう。

煙草も控えたほうが無難だと思います。絶対だめ、ということではないですが、飲酒もそうですが一時的に血圧、脈拍が上がるので炎症が広がりやすいと考えられます。

抜歯後、もし、患部周囲の頬が熱をもって腫れてきても冷やさないで下さい。冷やすのはかえって恢復を遅らせます。

歯磨きは、触れて痛くない範囲で、そばまで磨いて下さい。汚れがたまるのは傷の治りにマイナスです。血が止まってからということで、うがい薬を出されることもあります。

注意事項を守り、薬をきちんとのめば9割方はほとんど強い痛み、腫れは無いと思います。が、病院の歯科口腔外科の場合は比較的難かしい抜歯が多いでしょうから術後の痛み、腫れはむしろ多いかも知れません。仮に出ても概ね1週間~10日で気にならなくなりますが、「ご飯つぶがはさまる」ような感じはもう少し続きます。

腫れが続く場合は、薬が途切れないようにして下さい。無くなる頃まだ治まっていなければ予約前でも受診したほうがよいでしょう。

親不知抜歯後の不快症状としては、一時的に口が開けにくくなる場合があります。口を開ける筋肉の周囲まで炎症が進むのが原因ですが、腫れが退くとともに必ず戻りますから心配要りません。

出血が止まらないときは、病院なら当番医に緊急連絡がかかり大丈夫でしょうがもし行けなければ近在の歯科医院でよいですから処置をしてもらって下さい。親不知の前の歯が凍みてくることもありますが、暫くすれば治まります。


Q.抜けなくて途中で抜歯を中止されてしまいました......

A.ある意味でその歯科医の懸命な判断とも言えます。

開業医での抜歯や、病院の歯科口腔外科での外来での抜歯で、あまりに長くなりそうな時は中止した方が無難なこともあります。日を改めて抜くとすぐ抜けてくることもあります。歯冠だけでも取ってあると炎症で根がだんだん表近くに出てくることもあります。


Q.抜いた後痛い理由

A.埋まっていると通常の抜歯より傷が大きく深くなりやすい歯茎の切開・剥離、骨の開削を伴うことがある歯を切断する歳に骨に多くの水があたってしまうと骨細胞が壊死しやすい時間がかかるほど細菌感染が多くなる・・・などの理由が挙げられます。


Q.抜歯後出血

A.まる1日くらいは多少にじむ程度のことはあります。問題は傷口を圧迫していても半固まりの状態で止まらずどんどん出てくる場合です。歯科医院で止血処置をしてもらう必要があります。しっかりと縫合するか、止血効果のある薬剤等を用いるか、シーネを作って蓋をすることもあります。

ガーゼなどぎゅっと噛んでいるとだいたいは止まるはずですが、緑茶のティーバッグを噛んでいるとタンニンの作用で止まりやすい場合もあります。


Q.抜歯窩治癒不全症

A.術後うがいのし過ぎや、術中水のかかりすぎ、体調不良、抜歯に時間がかかった...等で傷の治りが悪い状態です。

血の塊に傷口が覆われず、一部の骨が露出したままになっています。痛みも続きます。そのままでは治りにくいので、傷口に薬剤を詰めたり、掻爬したりなど治癒を促す処置が要ります。最初は問題ないように思えても、なかなか痛みがとれず後で治癒不全と分かることも少なくありません。


Q.抜歯後どのくらいで治るの?

A.傷の深さにも因りますが、親知らずですと、3~4ヶ月はかかると思います。歯茎は2週間もするとかなり盛り上がってきますが、穴に骨が出来てくるのに時間が掛かります。

抜歯後1ヶ月くらいは時無しに軽度の痛みや違和感を感じることもありますが、最初の痛みや治癒不全が無くなってからは、心配は要りません。食べ物が穴に挟まって気になることもありますが、必ず取れていきます。


Q.親知らずは、抜いたままでいいのですか?

A.親知らずを抜歯した後は入歯やブリッジは入れません。相対する顎に親知らずが残っている場合は、それがすぐ前の歯と噛んでいないような場合等、役に立っていないのであれば、それも抜歯したほうがよいです。


Q.抜歯して治って来てから尖ったものが出て来ました...

A.親知らずに限りませんが、奥の方で見にくい場合、また、虫歯でぼろぼろだった場合等に、かけらが残ってしまうことがあります。多くは自然とでてきますから大丈夫です。出て来たら抓んで除去します。

また、抜歯窩の上方の歯茎や骨は少し吸収されますが、歯茎の吸収速度と骨のそれとは違い、歯茎の速度に間に合わず骨のとがったところが飛び出してしまうこともあります。この場合も飛び出した部分を除去してやれば大丈夫です。


Q.薬はいつまでのむの?

A.一概に言えませんが、簡単に抜けたような場合は3日ほど服用すれば済むことが多いように思われます。痛みが続けば5日とか一週間とか続ける場合もあります。

最初の薬が効きにくい場合は、変更して飲み続けます。必ずしも次の予約の日と出された薬の量が合うとは限りません。

予約がまだ先で、しかし痛みや腫れが気になる場合は薬だけでももらいに行った方がよいです。切れてからまた飲むより、続けて飲んだほうが早く治るし合理的です。また、明らかに快復して来るまで続けてこそ、耐性菌を作らずに済むのです。

出された分は勝手に止めたりしないでください。少し飲んだだけでも治っていくことももちろんあるでしょう。自身の免疫により自然治癒能力があるのですから。しかし、万が一急に止めたことにより悪化しては困ります。


Q.親知らずは麻酔が効きにくい?

A.上の親知らずはそうでもありません。下顎は親知らずに限らず大臼歯あたりは骨が厚いので、麻酔薬が浸透しにくい特徴があります。よってやや効きにくい傾向はあります。

対応としては、当然多めに注射したり、歯根膜(歯と骨の間)に細い針で注射したり、骨の中の大元の神経付近を麻酔したりします。抜歯の時のほうがむしろ麻酔は効きます。なぜなら歯の周囲が効けばよいからです。

歯の周囲が効いていても、歯の中の神経が効いていないこともあります。削って詰めるとか神経を取るとかの方が麻酔が効かず手間取ることがあります。


Q.おまけ,親知らずが解いた殺人事件
※注 かなり前に書いた文章で、且つ、内容はそのまた何年も前のこととしてお読み下さい。

A.地元警察署と地区歯科医師会の連絡協議会で、署長が紹介された話です。

以前の赴任先でのことだそうです。
公園に布団にくるまれた半分白骨化した死体が発見され胸に刺し傷があり殺人事件で捜査が開始されたのは良いが、身元がさっぱり分からない...。医学部法医学教室の鑑定では、15、6歳から40歳くらいの幅の広い年齢しか分からなかったそうです。

愛知県歯科医師会には警察協力医会があり、その会合で理事の先生に少し話したと「おれの診療所に遺体を持ってこい、見てみるから...」といわれ、そうは言われても...と思いつつ持っていくと、「20~23歳くらいだろう...」「きちんとした暮らしをしていたが、ある時環境ががらりと変わった可能性がある...」と、検屍の結果をコメントされたそうです。

年齢が絞られたことで、捜査線上にガイシャが浮かび、結局OLを辞めてソープ嬢として働くようになった女性と分かり、犯人も程なく見つかったとのことです。推理小説等とは違い、被害者の身元が分かれば多くは加害者を特定するのは困難ではないそうです。

なぜ、20~23歳と分かったか...親知らずなのです。親知らずは根の先まで完成するのは23~25歳。骨のレントゲンを撮り、根の先がまだ出来ていなかったので、そのくらいの年齢と判断できたのでしょう。法医学教室では、多分もっと複雑な検査で骨を分析したりしていたのでしょうが、歯は軽視していたようです。

生活環境が変わった...と推理した理由は、きちんと治療してある歯とそうでない歯との差が激しく、きっと規則的な生活から不規則なそれに変わったと考えたのだそうです。

それにしても、その先生、自分の診療所に殺された遺体持ってこさせ、そこまで推定したのは大したものだと署長(当時は署長でない)は大変感心されたとのことでした。

ついでに、たまたまキャリアの若い署長が赴任して最初の事件で、それが見事解決したと言うことでキャリア署長は大変喜び、スライドにして今も持っている...ということです。

しかし、その先生のスタッフからは、遺体の運ばれてきたときは非難ごうごうだったとのこと...。でも無事解決されそのあと尊敬されたことでしょう。


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